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2009年10月 4日 (日)

フリマの醍醐味

家にある不用品を、必要な人に譲るフリーマーケット。
ネットのオークション経験はあるものの、
実際に人と接するフリーマーケットは、
販売側であれ購入側であれ参加した事が無かった。

本日、友人から誘いがあったおかげで、販売側として参加する機会を得た。
以下、フリマで感じたことの独り言。

地元のお祭りの一環として開催されたフリーマーケットだったが、受付時間に行ってみると「これ、立派に店舗じゃない?」というセミプロ級の店がすでにうじゃうじゃと準備を始めている。
「子供服の店」「レース編みグッズの店」などと銘打ってもいいくらい、
取扱商品が特化しているのだ。
しかも、品数が大変豊富。
普通に暮らしていたら、一家庭でこれだけの点数揃わないでしょう!
と突っ込みいれたくなるくらい、次から次へと各ブースに品が運び込まれていく。

一方、友人と私は明らかに「家にある不用品の寄せ集め」感満載の品揃え。
マイルド○のおまけで付いてきたライターの横にあるのは、
半年使用の社交ダンス用シューズ、
南太平洋の貝殻で作ったネックレス、
16年前に購入した電気ポット、
ブリッジ部分が浮き上がり、おそらくまともには使えないであろうギター、
などなど。

私は、「どう頑張っても自分にとっては粗大ゴミに出す(ただし有料)しかないものだから、
万が一誰かに無料で引き取ってもらえたらラッキー」
くらいのものしか持って行かなかった。
まさに「フリマ」の本質に忠実な品揃えだったと言える。

しかし、折角の出展の機会、
賑やかしに何か並べておくものは無いか・・・と実家の押入れを捜索したところ、
20年前くらいから美術展とか観光地に行くたびに、
2枚3枚と買い集めてきたポストカードがごそっと出てきた。
実は、買ったことすら忘れていたのだが、一枚一枚見ていくとその背景が思い出せる。

例えば、ギュスターヴ・クールベ展で買った一枚のポストカード。

それは、大学生になって初めて
「美術鑑賞くらいしなきゃ!」と意気込んで出かけたものの、
クールベの暗い絵を前に何がいいのか全くわからない。
そもそも、絵画鑑賞って、何をどうしたらいいのかもわからない。

そんな気持ちのまま、わかったような顔して一巡してはみたものの、
出口で消化不良の気持ち悪さを味わっているところへ
「とっても見ごたえのある展示だったわね」などと
彼氏と語り合いながら出てきた大学の先輩に出くわした。
この差はなんだ、と愕然としたのを今も覚えている。

などなど、100枚はあったカードを一枚一枚に、
ほとんど全て何らかの思い出がある。

名残惜しいと言えばそうなのだが、
そもそも存在すら忘れていたカードなので
この際もし売れるなら売ってしまえとフリマに出品してみたのだった。

フリマの店先で、私のポストカードの束を手にとる人は、
買う買わないにかかわらず、
なんとなく気に入ったものとそうでないものをより分けている。

「お気に入りチーム」に、自分も気に入っているカードが入っていると、
「そうそう、そのロベール・ドアノーの「パリ市庁舎前のキス」って、すごくいいでしょ!確か、パリに行ったときに買ったんだよねー」
とか
「そのなまめかしい美女と食べ物の絵は、これまたパリのレストランで食事をしたらもらったカードなんだよー」
などと、いちいち心の中で説明をし、
自分が気に入ったものを選んでくれた嬉しさと、
自分の手から離れてしまうかも、という少しの寂しさをとが混ざった複雑な思いでお客さんの手元を見ていた。

でも、今日買ってくれた人はみんな
「額に入れて飾ったら素敵だね」
とか
「よく礼状を書くんだけど、相手に合わせてカードの図柄を選んでいる。色々素敵なカードが見つかった」
など、嬉しいコメントとともに、カードを引き取って行ってくれた。

きっと今日は、今まで死蔵させていた私の手を離れて
同じように「いいな」と思ってくれる人の手に渡り、なおかつそこから先、
またいろんな人の手に渡り、
カードに命を吹き込んでくれるきっかけとなっただろう、
と確信できる人ばかりだったので、自分もとても幸せな気分になった。

今日のフリマでは、
捨てるしかないと思っていたギターが200円で売れたのも嬉しかったが、
多少なりとも思い入れや思い出のあるポストカードを
同じように「いいな」と思ってくれる人がいてくれたこと、
そしてそんな人とポストーカードを通じてつながった一瞬を味わう贅沢、
とでもいいましょうか・・・とにかく、

金銭面以前に、ちょっと豊かな気持ちにさせてもらえました。

今日は初めてのフリマ体験だったけれど、
私にとってフリマの醍醐味というのは、
こういうことかなと思った次第。

楽しかったです。

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